編集者の瑠衣子と、ルポライターの慎介。二人の複雑な関係性を軸に、12星座に象徴されるさまざまな女性たちの人生と、愛の形を深く掘り下げていく不朽の名作です。 “大人の女性”が直面する現実的な問題や葛藤の数々に、あなたもきっと共感するはず──!
WORKS
作品一覧
狩人の星座
RELEASE: 1980
STORY
あらすじ
Key
Feature
作品の “みどころ”
占星術──“宿命の配置図”となる12星座
物語のカギとなるのは、占星術。12人の女性たちはそれぞれ異なる星座の持ち主として描かれており、その星座が持つとされる性格や運命が、彼女たちの行動や人間関係に大きな影響を与えています。オムニバスではなく、一人の男性・壬生慎介を巡ってさまざまな女性が入れ代わり立ち代わり関わっていくストーリーになっており、独創的な構成が本作最大の魅力です。
女優、ホステス、女子大生、弁護士、看護師、家出少女など、職業も生き方も星座もまったく異なる女性たち。多様な女性の人生観・恋愛観が凝縮されている本作では、自分と似た境遇や価値観を持つ女性に感情移入しながら読み進められるでしょう。まるでカタログのように数々の女性像が描かれる本作は、自分の生き方を俯瞰できる物語とも言えます。
なぜ、女性たちは慎介に引き寄せられるように出会うのでしょうか。たまたま同じ男性を好きになった女性たちという、恋愛ストーリーでよくある偶然的なものではありません。“星回り”という前提のもと、必然であり宿命であるように描かれている点は、他の恋愛マンガにはあまり見られない仕掛けです。
甘くない、ほろ苦い大人の恋愛ストーリー
本作は、甘い恋愛物語ではありません。不倫、割り切った関係、嫉妬、裏切りなど、人間関係のドロドロした部分に踏み込み、人間の本性をこれでもかと表現しています。女性たちが目を向ける慎介もまた、女性に対して無愛想、結婚願望もなく、いわゆる王道の“優しい男性像”とはほど遠いキャラクターです。
自身の孤独を守るために他者を遠ざけ、時に踏みつける未完成な男性として描かれる慎介。彼を愛することは、孤独という深淵に引きずり込まれることであり、幸せよりもむしろ困難な道に流れていくと言えます。本作では「愛せばわかり合える」という少女マンガの王道的な幻想をなくし、どれほど深く結ばれたとしても──結局のところ、人間は一人ひとり違う生き物なのだと実感させられる、冷徹なまでのリアリズムが刻まれています。
それは、大人の恋愛ならではの複雑な現実です。一筋縄ではいかない男女の駆け引き、葛藤。理想だけでは語れない、現実的な恋愛模様が次々と展開されていきます。女性心を理解しない慎介、素直になれない瑠衣子。そして二人を取りまく登場人物たちもまた、人間らしく生々しい感情を交錯させています。
「胸キュン」とは正反対、苦みの強い大人の恋愛ストーリーをマンガ本編でお楽しみください。
妻か、女か、仕事人か──女性の生き方とは
「愛」「結婚」「金」「仕事」など、本作に登場する女性たちはそれぞれ大切にしていることが異なります。割り切った関係から後になって勝手に婚姻届けを出す元恋人、金のほうが大事と割り切るホステス、家庭不和から外で男性との触れ合いを求める高校生。“女性はこうあるべき”という姿ではなく、打算的な女性の生き方もありありと描かれています。
中には、性的な暴力描写も。しかし、これは単なる物語のスパイスではありません。女性の自己責任として片付けられがちだった性被害の問題を、上司と部下という上下関係や、男と女という力関係の問題として、白日の下にさらした点が重要です。
トラウマを抱えながらも沈黙せず、キャリアを捨てずに戦い抜こうとする姿には、ジェンダーの不均衡がもたらす理不尽に負けない“女性の強さ”を感じるでしょう。
「男性の所有物」から、「自立した狩人」へ。
結婚だけにとらわれず、男性への依存から脱却し、たとえ傷つき孤独であったとしても、自分の人生は自分で射抜くという選択をする女性たち。ジェンダーによる制約を超え、一人の人間として生き抜こうとする彼女たちの姿は、現代の女性読者にとっても、生き方の指針という強烈なメッセージになるでしょう。
COMICS
コミックス一覧
狩人の星座 1巻
「キャリアガール」の編集者・榊瑠衣子は、一緒に仕事をしているルポライターの壬生を密かに愛していた。ふとしたことから、拾われて壬生のマンションで同居する事になった吾妻健太は、星占いの知識が豊富だったため、瑠衣子は少しでも壬生に近付きたくて、彼に仕事を依頼した。ルポライター・壬生と彼を巡る12星座の女たちの愛。里中満智子の講談社漫画賞受賞作が登場!
狩人の星座 2巻
健太の受け持った星占いのページは、生まれた時間に東の地平線にどの星座があったか、という「上昇宮」の考え方を取り入れて、評判は上々だった。瑠衣子は相変わらず、壬生に自分の気持ちを伝える事が出来ないでいたが、「キャリアガール」の編集長・尾形に無理矢理犯されてしまう。一方、壬生は両親の復讐という目標があって、ルポライターの仕事をしていた。
狩人の星座 3巻
尾形に犯されてしまった瑠衣子は、壬生への想いだけが支えだった。思い切って気持ちを伝えた瑠衣子はついに壬生と結ばれた。しかし、二人は愛し合いながらも、その後関係はなかなか進展しなかった。瑠衣子に執着する尾形は、嫌がらせのようなアプローチを瑠衣子に繰り返した。毅然とした瑠衣子の態度に、尾形は本気で瑠衣子を愛し始めてしまったのではないかと気付く。
狩人の星座 4巻
瑠衣子は妊娠したが、壬生に相談することが出来ず、一人で子供を産もうと考えていた。しかし、尾形の子供を妊娠していると誤解されてしまい、会社で噂になってしまう。無理して仕事を続けていたこともあって、流産してしまった瑠衣子は、事実を知った壬生と言い争いになり、二人は別れてしまう。一方、壬生を愛するかつての恋人・理絵は、彼と結婚しようと策略を練る。
狩人の星座 5巻
瑠衣子と壬生が別れてしまった後、壬生を愛する理絵は一人で勝手に婚姻届を出し、壬生と夫婦になった。瑠衣子は壬生の設立した新事務所で働き始め、二人はお互いが本当に愛し合っていたことを確かめ合う。やっと理絵と離婚が成立しそうな矢先、壬生は仕事を邪魔しようとしている者達の手によって、車にはねられてしまう。意識不明に陥った壬生の回復を待つ瑠衣子は…!?
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